薔薇マリ壱

僕の知らないキミを知る
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「さて。今日もマリアを影からウォッチングしようかナ。」

早朝、マリアが家をでるだろう時間に間に合うため、建物の上を走りマリアの家へ急ぐ。

「ん〜まだ外出はしてないみたいだネ。」

マリアの家の近くに着くと少し低いところから様子を伺う。これは毎日の日課だネ。

本当は高いところから様子をみたいんだけどネ。ナニせマリアの家はエルデンでも三番目に高い高層寺院の屋上だからなかなか高いところがないんだヨ。

「マリアは今日も元気かな?」

この位置ならギリギリ窓付近が見られるからネ。なかなかの特等席って…!あぁ赤い花弁のような美しいマリアの髪が見えた!

あぁ…愛しい薔薇ヨ!キミはなんて罪な人なんだろうか…!

想いが通じ合ってもなおキミを影から見つめられずにはいられない…

それというのもキミがボクに見せない表情、しぐさを見るため…

あぁ不貞腐れないでおくれヨ。マリアローズ!いつだってボクはキミを愛しているヨ!

「…ん?」

マリアへの愛に酔い痴れているといつの間にかマリアが家の外へとでていた。

「……!」

しかもその腕には黒い猫が!

「ボ…ボクだってまだなのに…」

許せん!許せないヨ!!!あの猫!!!
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