薔薇マリ壱

最悪から始まったボクとキミの関係
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あれは桜が咲き乱れている4月の事だった…

「失礼します…」

その日、急に気分が悪くなって僕はだるい体をなんとか動かし保健室までやってきていた

「…あのー…?…先生…?」

それなのに保健室には誰も居ない…

「……超最低……」

そういえばここの主である保健医はよく姿を暗ますって担任の先生が言ってたな…とか思い出しつつとりあえずベッドへ傾れ込む

「いないのが悪いんだし…いいよね…病人なんだし…」

傾れ込んだベッドは窓際にあるからか太陽の光をいっぱいに浴びている匂いがしてすぐに眠気が襲ってきた








「キミ…そろそろ起きたらどうだイ?」
「…ん……ン…?」

次に目が覚めて初めに見たのは、光々と光り輝いている月とそれを隠すかのように覆い被っている漆黒の髪と薄青色の瞳だった

「っ…!うわぁぁぁぁぁあ!」
「…!」

あまりにも予想外の出来事に寝呆け眼だったのも一瞬で、次の瞬間、覆い被さっていた人物を思いっきりはねのけた

「へ?!」

…つもりだったが寝起きで動きが鈍っていたのかその人物が俊敏なのか、その人物は寸での所で避け、

「ふわぁぁぁあ!」

僕はその勢いのままベッドから落ちそうになった

「……………?」

でもいつまで経っても床と接触しなくて恐る恐る目を開けてみると白衣で覆われている腕に支えられていた

「大丈夫かイ?」

白衣…?っていうことは保健医?

「……あ…はい…」

先程までの自分の行動が恥ずかしくて俯いていると保健医がクスッと笑って

「寝起きで状況が分からないのは分かるけど女の子があそこまでパニックになる事はないんじゃないかナ?」
「…女の子……?」
「ボクだから良かったものの此処は女子校じゃナイんだし少しは気をつけた方が良いと思うヨ」

僕が一番嫌いな言葉を口にした

「……ブチッ…」

おかげで一瞬でキレた

「ふざけるな!誰が女の子だ!僕は女の子じゃない!この節穴最低最悪助平保健医が!!!大体人に覆いかぶさっといてなにがボクだから良かったものの…だ!笑わせるな!!!セクハラで訴えてやる!!!こんな所もう絶対に来ない!死ねっ!!!」

言いたいことを言い終えてもなかなか怒りは治まらず僕は保健医に一発パンチを入れ保健室を飛び出した
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