薔薇マリ壱

雨後晴れ希望
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「ん?」

今日はなんとなく雨が降りそうな感じだったからとりあえず傘を持って買い物へ出た。

「………」

そしたら案の定、雨が降り始めて鉄鎖の憩い場が騒がしくなった。ある人は雨宿りをし、ある人は走って帰り、あるカップルは仲良く一つの傘に肩を抱き合い入っている。

「あれって…」

でも傘を広げ突っ立ている僕が今、一番気になっているのは、少し遠くに立っているいつもの変態男だったりする。

「アジアン…だよね?」

アジアンはこの雨の中傘もささずにボーっと空を眺めているようだった。

「…まぁ…馬鹿は風邪ひかないって言うし…僕には関係ないけどね」

そう言って僕は身をひるがえしアジアンから離れていく…







「…アジアン…なにしてんの?」

つもりだったのに…なんで僕わざわざ近づいてんだろ…しかも傘を差し出したりして…

「マリア…」

アジアンは初めいつもとは違う表情をしていたのに僕だと気づくといつもの調子になる

「なんでもないヨ。マイスウィーテスト。」

っていうかなってるつもりなんだろうけど全然いつもの調子になってない…口は微笑んでいるようだけど青い瞳は何も写していない

「…そう…」

まるで僕の存在を拒否するかのように

「雨…好きなの?」
「…そうでもないネ」

君はまた空を仰ぐ

「ふーん…」

っていうか僕が珍しく話しかけてるのになんかコイツしつれいじゃない?

(…早く晴れないかな…)

「ん?なにか言ったかい?」
「…別に」

雨の日…今日は新たな発見をした。

「晴れの日の方が良いな…」




雨の日のアジアンは嫌いだ…

End
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