tale
□彼女はあいつが好きなんです
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なんであんな女が自分より上の立場にいるのか理解できない。
特別戦闘で役立っているわけでもない。頭が良さそうには見えないし、実際良くない。三白眼で目つきがキツくて、上司に媚びばかり売っている。正直、実力を買われたようには見えないし、違うだろう。
まったくもって理解できない。なんであんな女の方が上の階級で、ミーの方が下なのか。
「テラザウラー、今度の休みヒマ?」
正直、こんな女は嫌いだ。態度にも現れているはずだ。それなのになんでコイツは、こんなに親しげなのだ。
「…ヒマじゃないザンス、ミーはショッピングの予定が」
「それだよそれ!あのさー、俺も実は用があってさ!買物してーの!」
「それで?」
「クルマ出してくんない?」
なんて図々しいやつ。この馬鹿女は、ミーを足に使うつもりなのだ。
「なんでミーが。…メガトロンに頼めばいいザンショ」
「ハァン?やだよんなこと言って図々しいヤツだと思われたら困るし。つか折角お前と休み重なったんだからー、使わないと損?みたいな」
「アータほんっとふざけてるザンスね」
ミーははっきり断った。当然だ。
「じゃあ週末な!」
だのに何故、一緒に行くことになったのだろう。
彼女はあいつが好きなんです