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□帰ってきて
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すきまの空いたクローゼット
あの人が使ってたクローゼット
考えないように、忘れてしまうように、そのために必死だったのに。消えてくれなかった記憶が大挙して俺を苛む。
もう振っ切ったつもりだったのに。あの人のいない生活に慣れたつもりだったのに。あの人がいた痕跡を、俺が消し去った痕を見るだけで鼻っ柱がつんと痛んで息が詰まった。
こんなに後悔するんなら、あんなこと言わなきゃよかった
悔やんでも悔やんでもあの日の俺が言った言葉は俺の中に戻ってこなくて、ただ不要になった水分ばかりが。
一度も振りかえらずに行ってしまった、あの人の背中を見つめていたあの日に流しきったはずの水滴が、あとからあとから頬を零れた。
please come back
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同棲パロ?
そして実はスコメガだという。