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□10'2/14 after
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「メガちゃ〜ん?」

「…なんだいナビ子ちゃん」

ナビこの めのいろが かわった!





















kankin






















「ねっみぃ〜」

くぁあ、と噛み殺しきれなかった大きな欠伸がこぼれた。

今日は久方ぶりの休日で。だから一日中、そりゃもう思うさまゴロ寝したり、中々時間をかけてやれないサイバービーの整備に精を出したりと、まぁいろいろ…特に何の予定も入れてなかったから、夕方のこの時間までずっと室内で過ごしてしまった。勿体ない気がしたが、普段の時間に追われる生活を考えれば贅沢な悩みだろう。

そう、過ごせてしまったのだ。無事に。

思ってもみないことだった。

「…」


リビングルームへの道すがら、スコルポスはポリポリと頭をかいた。その眉は何とも言えず困った様子で垂れており、今日の夕飯は何だろうなと考えているふうでもない。

そしてスコルポスをここまで悩ませる存在といえば、やはりそれはメガトロンのことであり。

「うぅ〜ん…」

メガトロンが仕出かすことの大半は、良かれ悪しかれスコルポスを青ざめさせる。常々、自分の許容量が狭いのか、それともメガトロンの要求が並外れているのか判断しかねるスコルポスだった。

そして今日予想していたのもまた、メガトロンにとっては楽しいことだった筈で…

誰もいない通路で、ボンッとスコルポスが爆発した。湯気でも出そうなほど真っ赤になっている。

「うわっ…うわっ、俺っ、何考えちゃってんの!?」

わたわたと慌てふためき、赤面して、マジありえないんですけどー!?と一人で騒ぐスコルポスは相当怪しかったが、それを見咎める者はいなかった。せいぜいが、ナビ子ちゃん管理下の監視カメラくらいのものである。彼らのプライバシーは大変に侵害されていた。

スコルポスにとっての休日とは、けして好きに時間を使えるものではない。今日はイレギュラーだったのだ。いつもなら必ずメガトロンがちょっかいをかけてくる為、丸一日…そう時には休日前夜から…メガトロンと一緒にいて、自分だけの時間なんて取れた例が無かったから。

休みの日まであいつに振り回されているのかと、テラザウラー辺りなら可哀相なものを見るような目をするんだろうが。火照った頬に手をやると、面白いくらい熱かった。

…メガトロンからの呼出しは、その………………………ょ、夜は別として……嫌いじゃない。嫌いじゃないからまた、困るのだ。

そりゃ、休日だってのに下手すりゃ戦闘時より疲れるけど。仕事じゃなしに憧れの人と一緒にいられるなんて、メガトロン様と一緒にいるなんて、夢のようじゃないか。
「〜っ」

だんだん恥ずかしくなってきたスコルポスは考えるのを止めた。まぁ、なんだその…呼ばれなかったら呼ばれなかったで、よかったじゃないか。つい加減がわからず寝過ぎちゃったりなんかしたが、別に悪いわけじゃないし。なんたって俺の休日だし。うん。

「おわっ」

「!」

前方不注意。そんな言葉が脳裏に浮かんだが時既に遅く、スコルポスの顔面は障害物にクリーンヒットしていた。

「メ、メガト」「シッ!黙れ…!」

れ、の辺りで大きな手の平に口を塞がれ、問い掛けの言葉を探す最中有無を言わさず近場の部屋に引きずり込まれた。どこか狭い場所に押し込まれ、いつの間にか酷く密着している体勢に驚いて叫びを上げそうになる。

「黙れと言っている…!」

耳元で囁かれる、押し殺した低い声。温かな呼気が耳にかかって全身総毛立った。

ひいぃ、と息をのんだのは羞恥による緊張によるものばかりではなかった。驚いたのを慌てて隠したからだ。メガトロンは…焦ってる。それに気づいたスコルポスは始め自分の目を疑い、次いで何がメガトロンをここまで警戒させているのか探ろうとした。いずれにしろ、この状態から抜け出さねばならない。

「…ゴソゴソするな、感づかれるだろうが…」

「すっ、すいません」

途端、苛々した様子で伝わる空気の震えに、慌てて声を顰める。

「で、でもメガトロン様…?一体何が…?」

「シッ!来たぞ!」

えええまだ心の準備が!身を固くしたスコルポスが強く抱きしめられて更に緊張する。

――不可抗力!不可抗力だから!これ!

自分に言い聞かせるが、どうしても赤面してしまう。

「どこにいるの?」

あれっ?と思った。メガトロンの顔を見ようとするが、自由がきかない。仕方ないので大人しくしているが、しかし、この来訪者は…?


「こらー!メガちゃんってば出て来なさい!」

なんでメガトロン様が、ナビ子ちゃんから逃げてるんだ?
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