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□夢に猫飼い現に飴買い
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それにしてもだ。
「……遠すぎないか……ここ……」
青い空。輝く海。砂浜。
湘南の高級住宅街に隆介は来ていた。
明らかに隆介の住んでいる場所からは遠すぎる。隆介はfaxできた地図を頼りに、その家に辿り着いた。
真っ白く太陽の光に輝く一件の家。ささやかなグリーンの庭には、色とりどりの花が咲いていて、美しい。
隆介はあまりの綺麗さにしばらく目を離せなかった。
すると、中から微かな音色が聞こえた。
――――ピアノ?
隆介はその音色に誘われるように、家の門をくぐった。