original

□夢に猫飼い現に飴買い
1ページ/5ページ


「あたしね、夢の中に猫を飼ってるの。」



夢に猫飼い現に飴買い



永池隆介はため息をついた。

このかた三年の家庭教師(要はそんなにキャリアはない)である我が身のもとに、また新たに依頼が来た。超一流国立大学の大学生なだけで、短時間でお金が稼げると聞いて飛びついた仕事だったが、案外子供というのが手強いもので、思ったよりも疲れるので、もうそろそろ辞めようかと思ってた時期の依頼だった。

本当は断るところだったが、承諾したのは母親の知り合いだったからだ。

今、隆介は母親の仕送りと家庭教師のバイトで生計を立てている。母親に、この依頼断ったら仕送りを断ち切るを脅され、渋々依頼を受けることにしてしまったのだった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ