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□☆東京
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里見に見送られ、奈緒子と上田は東京に戻っていた。
とりあえず池田荘消失のため奈緒子は上田のマンションに荷を降ろす。

問題は、
「YOU、一体君はどこに住もうというのか?金も胸もないからな、住むところなんて見つかりはしないだろう」
「一言余計です上田さん。長野でも言ったでしょう、友達は結構いるんですってば」
「いるといっても逃げたネズミと食われた亀ぐらいだろう?」
「うるさい上田!」
「あ、いいこと思いついた」
「…なんですか?」
「食い逃げでもして捕まってみたらどうだ?実にYOUらしいじゃないか。警察の中では冷暖房完備、三食飯つきだぞ……」
「にゃぁ!(バコッ)」
奈緒子は渾身の力を込めて上田を殴った。
「上田さん、いい加減にしないと怒りますよ!」
「もう怒ってるじゃないか!君は冷静に人の話を聞くっていう事が出来ないのか?全く、俺と違って実に大人気ねーなこの貧乳!」
「あーぁ上田さんなんかに聞いた私がバカでした。他に住むところなんていっぱいあるんです、こんな所、出て行きますよっ!」
奈緒子はそのまま藤の鞄を持って出て行ってしまった。
「おいYOU!!」
上田が呼び止めようとしたが遅かった。奈緒子はそのまま走っていってしまった。
「……全く」
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