紫月入隊編

□与思返思
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『なぁ〜んか
 餌付けされてる気分』




「と・言いながらも
 箸は
 止めないのですね」




『そりゃあ まぁ・・・
 美味しいし(笑)』




「本当は 私 自ら
 調理したものを
 お出ししたいの
 ですが・・・」




『白哉が
 料理・・・ぶふっ!!
 無理無理無理無理!!
 想像できない』




「しましたよね
 笑いましたよね」




『あはは(汗)
 でもね ホント
 料理とか
 しなくて良いから』




「それは その様が
 吹き出されるほど
 滑稽だからですか?」




『うっ・・・
 根に持つね
 ・・・じゃなくて!』




「・・・?」




『このお弁当
 白哉が 料理人に
 色々 注文して
 くれたんでしょ?

 味付けとか
 見た目とか』




「それは・・・」




『それぐらい分かるよ
 会ったこともない
 料理人が 私の好み
 知ってるわけ
 ないもんね・・・
 ありがとう
 それだけで
 スッゴく 嬉しい』





「以前 作って
 いただいたモノの
 お返しをしただけです
 礼など・・・」




『それでも・・・いや
 それが
 嬉しいんだよ』




「・・・?」










込めた思いが返ってくる
それも
何倍にも 膨れ上がって








『・・・ありがとう』








この喜びは
足を縫い付けるモノと
なるかもしれない

この地を去る際の
足枷となるかもしれない

なのに何故
思いを与えるのか・・・









『・・・私も
 お返ししている
 だけなのかもね』




「・・・??」









君がくれた
この 一時(ひととき)の
お返しを










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