彩雲国物語 夢小説


□Short Story
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道のりは険しく
(双花,劉輝×秀麗,黎深)



朱塗りの柱に身を潜める影が一つ――。


あぁ、秀麗。私の方にその可愛い顔を向けておくれ…。


それにしても何だ、アイツは!

私の可愛い姪に気やすく触るな!

どこまでも付きまといおって…。


自分のことは棚に上げ、ひたすら劉輝への不満を募らす。


その上、ちゃっかり抱きしめるなど…、許さんぞ。

この私でさえ秀麗には触れられぬというのに。



ただ自分が叔父であることを明かさないせいなのだが…。

いちゃつく二人を遠目に眺めるその男が纏う衣の色は紅――。





――同時刻、楸瑛と絳攸は執務室に居たはずの王を探していた。


「あの昏君!目を離したらまたこれだ。一体何処に行った!」

絳攸はこめかみに青筋が浮き上がっている。


多分、また秀麗殿にでも会いに行ったかな…。

ずっと働き詰めで会いたがっていたみたいだし…。


楸瑛はここ最近の王の心中を察していた。



突然、先を行く絳攸の足が止まり楸瑛は現実に引き戻された。


「な…ななななんで此処に黎深様がいるんだ…」


絳攸は上司であり養い親でもある黎深の姿を一目見た途端に慌て出した。


黎深は自分達に背中を向けている為、こちらには気付いていない。


一心に見つめる先は――


居た。

「絳攸そんな所でつったってないで…。主上だよ」

「どっ何処だ!?」


楸瑛が指差す先には秀麗と仲睦まじい劉輝の姿があった。

とても嬉しそうな顔をしている。


ただ、鬼の形相をした黎深が背後におり、楸瑛は劉輝の安否をただただ祈るばかりだった。



***

初!黎深様!


始めの秀麗への愛に満ちた眼差しと、劉輝への怒りから黎深様と分かって頂けたでしょうか?

姪とか叔父とか出したので分かって下さると思うのですが…。


劉輝×秀麗夢の続きというか同時刻の番外編です(笑)


黎深sideと楸瑛×絳攸side

こう、同時刻に起こっている話とか結構好きで、劉輝をいじめたいが故につい(笑)黎深様を投下してしまいました(笑)


劉輝ごめん!

無事を祈る!



2008.07.28 由良


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