彩雲国物語 夢小説
□Short Story
7ページ/19ページ
道のりは険しく
(劉輝×秀麗)
長い廊下にばたばたと響き合う二つの足音。
「秀麗、待ってくれ!」
「ついてこないでって言ってるでしょ」
「余はただ秀麗とちょっとだけでも喋りたいだけなのだ」
「あのねぇ…」
秀麗はこのどこまでも純粋な王に軽く頭痛がした。
私もずいぶん懐かれたものね。
「いい?私は官吏として働きに来ているの。あなたの相手なんかしてられないわ!」
こんな時に藍将軍と絳攸様がいたら…。
劉輝は秀麗のもっともな意見に言葉が詰まる。
「…だが、今しか会えないではないか。二人きりの――」
急に消えた足音と、徐々に小さくなる声に秀麗は思わず振り返る。
しかし依然、足は休めない。
「――危ない!」
秀麗はいきなり腕を捕まれ、そのまま広い胸の中へと引き寄せられた。
突然劉輝に抱きしめられる形となり頭の中はパニック状態だ。
「なっ…何よ急に…」
劉輝は大事な人を守れたことに安堵の息を漏らす。
「前を見ろ。柱だ」
劉輝の腕の中から自分が先程まで向かっていた方を見ると大きな朱塗りの柱がそびえ立っていた。
劉輝は秀麗が柱にぶつかる寸前の所で助けてくれたのだ。
「ありがとう…」
先程の素っ気ない雰囲気は消え、恥じらう秀麗に劉輝はより一層強く抱きしめた。
「秀麗は危なっかしいからな。やっぱり余がついていないと駄目だな」
「なによ…」
今度はふてくされる秀麗の顔は、ころころと変わり見ていて飽きない。
「ねぇ、さっきは何て言ってたの?」
「ん?あぁ…」
劉輝から聞かされた言葉に耳まで赤くなる。
たまにはこういう時間も良いかもしれないと思う秀麗だった。
――二人きりの時間が欲しい。
余は秀麗が大好きだからな――。
***
大好きな劉輝×秀麗です。
やっぱりこの二人が一番落ち着きます。
劉輝にはとことん秀麗を追い掛けて欲しい(笑)
一番くっついて欲しいCPです。
2008.07.27 由良
目次へ
戻る