彩雲国物語 夢小説
□Short Story
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壊れた静蘭
(燕青×静蘭×蘇芳)
「――そもそも原因はタンタン君、あなたですよね?」
静蘭の目がきらりと光ったのを蘇芳は見逃さなかった。
静蘭は依然、黒いオーラを纏っている。
「あなたが私をタケノコ呼ばわりさえしなければ……」
蘇芳は思わず顔をひきつらせる。
(自分の方が先にタヌキ呼ばわりしただろ!)
自身を棚に上げる静蘭に反論したいが口に出すことはしない。
なるべく争いごとは避けたいのだ。
(面倒だし…)
蘇芳が黙っているのを横目に、燕青は助け船を出す。
「お前さ、やっぱ今日変だぞ?マジでらしくねーって」
燕青の言葉がひっかかり整った顔が僅かにゆがんだ。
「私らしいって何だ。言ってみろ!」
「お嬢さんに信頼される所とか…?」
意外にもそれに答えたのは燕青ではなく蘇芳だった。
「当然だ!二人よりも私の方が頼りにならなくてどうする」
満足げに言うと静蘭は高らかに笑いながら去っていく。
どうやら今日の彼は本当にどこかおかしそうだ。
(本人目の前にして一体どこから来るんだよ、あの自身…。)
(自分で言うか?フツー。やっぱなんかズレてるって今日…)
静蘭の後ろ姿を見ながら溜め息を吐く二人。
改めて静蘭といると疲れを実感するのだった…。
***
書いた当初は続き物にする予定はなかったのですが、ネタを思いついてからすぐに書き下ろしました。
この三人、本当に書くのが楽しいです!
静蘭のあの自身過剰っぷりを全面に出した今回の夢。
楽しんでもらえたら嬉しいです!
静蘭まだ壊れたままだったね…(笑)
2008.06.26 由良
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